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政治主導ではなく「東レ誘導」!? ニュース記事に関連したブログ

2009/10/30 16:30

 

「特定扶養控除」の見直しが検討され始めたそうですね。

「特定扶養控除」とは、

 

「16〜22歳の子供がいる世帯の教育費負担を軽減するため、課税所得を一定額差し引く仕組み」で、「現行の控除額は所得税で一律63万円」。(以上、今朝の産経新聞の経済面記事より)

 

そもそもこの特定扶養控除については、民主党マニフェストには

 

人的控除については、「控除から手当へ」転換を進めます。子育てを社会全体で支える観点から、「配偶者控除」「扶養控除(一般。高校生・大学生等を対象とする特定扶養控除、老人扶養控除は含まない。)」は「子ども手当」へ転換します。」

 

とあり、民主党は手をつけない部分のはずでした。

ところが今朝の新聞では、民主党

 

「来年度から実施する公立高校の実質無償化と同様の政策目的を持つこともあり、議論の余地があると判断した。【中略】全廃でなく縮小する考え。」


になったとか。

私がこのニュースを知ってまず気になったのは、この「縮小案」をどこかで目にしたことがあるな〜ということ。

そう!

産経新聞でも何度か紹介された、東レ経営研究所のシミュレーションです。

子ども手当の導入が家計に与える影響〜520ケースのシミュレーション〜」には、

 

現行法では「扶養控除の一般分」と「(特定扶養控除など)加算分」は一体不可分となっている。したがって、両者を分離するには法改正が必要となるが、本試算では、法改正を行なったうえで加算分としての特定扶養控除(25 万円)は現存すると考えた

 

と記述されているのですが、63万あった控除額から一般扶養控除分を除いて25万円に縮小した試算とクリソツな発想!

もしかして民主党さん、というか古本財務政務官は、この東レ研究所のレポートにインスパイアされて縮小案を持ち出した!?

 

ところで、この東レ経営研究所のシミュレーションには、不思議な点があります。

それは、「加算分としての特定扶養控除(25 万円)は現存すると考えた」という部分。

 

小中学校はもともと無償ですから、子ども手当は学校教育費に充当することは目的となりえません。

一方、「高校授業料実質無償化」は、無償の義務教育を終えた子供の教育費の軽減を目的としているはず。

つまり、例え高校の授業料(の一部)を国が負担するとしても、それは16歳以上の子供の養育それ自体への配慮ではないのです。

従って、本来なら16歳以上の子供にも中学生以下の子供に支払われるのと同等の子ども手当が用意されてしかるべきであって、そうしないのであれば、少なくとも一般扶養控除と同額の38万円の扶養控除は残されるべきです。

今朝の産経の記事でも例えば控除額を38万円に縮小すれば」としてモデルケースを試算していますね。

そうでなければ、高校へ通っていなかったり、なんらかの事情で働いていない16〜22歳の子供さんを養っている家庭では大増税になります。

予備校生や大学生のいる家庭では、授業料負担軽減がない分さらに大変!

 

 

ちなみに、10月28日の産経「静かな有事(1)」には、東レ経営研究所のシミュレーションを元に作成したという子ども手当導入に伴う世帯別の年間所得の変化」という表が載っています。

この数表でも、高校生と大学生がいる世帯では軒並み所得減、片働き700万円世帯ではなんと10万円を越える所得減となっています。

なお、この数表は特定扶養控除(16歳以上23歳未満)は「現状維持」とする前提で作ったとの注がついていますが、これは誤りと思われます

東レの原データと比較すると該当箇所の数値は全て一致していますから、特定扶養控除が25万円に縮小されたとの前提でのものでしょう。

 

東レ経営研究所はなぜ、16歳から22歳の被扶養者についての控除額が一般控除額よりも少ない額へ縮小されるという過酷な仮定で、シミュレーションを行なったのでしょうか。

はっ! まさか、はじめっから民主党とつるんでたとか!?

あらかじめ厳し目の数字を出しておいて、実施する段になったら「負担増となる世帯でもこの程度で済むので我慢してね」って言い包めようとしている・・・わけじゃあないですよね!?

産経さんでさえ「東レ経営研究所の試算から作成」した表について、特定扶養控除は「現状維持」での試算、と説明してしまうくらいですから、世間の目なんて簡単にごまかせちゃいそうです。

そう言えば、シミュレーションの前段にわざわざ

 

「本稿で示している意見は、あくまでも渥美由喜と森本有紀の個人的見解に過ぎず、東レ経営研究所あるいは東レグループの見解を表すものではありません。」

 

とエクスキューズを入れた上で公表しているところも、こうしてみるとなんだか怪しい・・・。

 

 

2009年12月9日追記:

 

平成22年度は現行制度が維持されるようで、とりあえずホッと一息♪(笑)

 

2009年12月17日追記:

 

↑と思ったら、高校生については高校授業料実質無償化と重複するため、控除額が現行の63万から38万円に縮小されるとのこと。

一応、理屈は合ってます。

25万にならなくて良かった。(笑)

 

カテゴリ: 話題!  > 話のタネ    フォルダ: 子ども手当と税制上の不公平

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